2016年03月05日
ファルクニーベン(Fallkniven) S1Pro レビュー【実用編】
おはこんばんにちわ。
コンベックスグラインドナイフ大好きDaisukeです。
(  ̄´▽` ̄)使い易さではなくあくまで好みの問題ね
さてさて、2/16の記事でスウェーデンのファクトリーナイフ、「ファルクニーベンS1Pro」を買っちゃった報告をした際に、旧来のS1と見た目の違いを比べた記事を書きましたが、今日は実用編です。
(  ̄´▽` ̄)検索流入でもS1Proで入ってくる人多かったし、販売されて間もなくてレビューも少ないから、やっぱり気になるのかな?
とはいっても一回のデイキャンプで使っただけなので、深く知るにはまだまだ時間がかかりそう。
ですので、今日紹介できるのは軽作業の使用感レビューになりますので、そこら辺はご理解下さい。また、旧来のS1と比べられれば良かったのですが、以前紹介したS1は借り物でして、ですでに持ち主にお返ししてますので、ここでの比較対象は「鋼材」「刃渡り」「ブレード厚」が旧来S1とほぼ同じの同社NL4Lと比べます。
(  ̄´Д` ̄)ヘビィデューティしてこそ差が分かるんですが・・・
メンテナンス前なのでどちらも木のヤニが付着してます↑ 後のメンテナンス編で手入れの紹介します。
今回のお話はちょっとマニアックな部分に踏み入りますので、ナイフに興味のある方は続きをどうぞ。
まず実用する前に鋼材についてお話します。
ちょっと専門用語が続きますので、頭でっかちになりたく無い方は下の段落まで飛ばしてください。
(  ̄´▽` ̄;)私は手遅れ・・・
ファルクニーベンのナイフは粉末冶金鋼である3G鋼を除き、ほとんどがステンレス系の延伸クラッド鋼(性質の違う複数の金属を挟んで超高圧で結合する金属)で作られています。意外にも素材は日本の武生特殊素材株式会社からスウェーデンに輸出され、それがファルクニーベンでナイフとして作成され、一部が日本に流通しているようです。
スタンダードモデルであるS1やNL4Lなどに採用されているVG10ステンレス鋼は、日本で言うV金10号(Vはバナジウム)のことです。それを低炭素ステンレス鋼の420J2でサンドウィッチのように挟み込んだのがLam.VG10(Lamはラミネートの略)。
日本刀のように硬く鋭くすることができる芯鋼材をしなやかな金属で挟み込むことで鋭さと衝撃に対するしなやかさ(靱性)を両立させる意味合いを持ちます。
S1Proで採用されているLam.CoSも基本は同じです。
CoS(コバルトスチールの略)を420J2ステンレスで挟んだものですが、このCoSについて、情報が少なくメーカーのページを見ても「新開発の特殊鋼」と曖昧な表現しかされておりません。ただ公表されている含有組成式を見るにVG10に比べコバルトの含有量が多く含まれているのは確かなようです。コバルトが多く含まれることにより耐磨耗性、耐錆性に優れ、切れ味も良くなり、錆にも強い刃が生まれるのが特徴と言われています。(ジーサカイ談)
(  ̄´▽` ̄)ま、実感としては殆ど感じませんけどね
さて、ナイフテストするのに実際にバトニングとフェザースティックをやってみました。
ナイフ初心者さんにどのナイフならバトニングやフェザースティックができるか聞かれることがあります。
先に断っておきますが、どんなナイフであってもバトニングもフェザースティックも出来ます。
(  ̄´▽` ̄)例え中華製のへっぽこナイフでも刃さえ付いていれば出来なくはないです
差が出るとすれば、やりやすいか、やりにくいかの差と、その用途に対する使用に耐えられるかどうかの差だと私は考えます。
そういう意味ではファルクニーベンのナイフは非常にやりやすいナイフに分類されます。
薪を割るのに十分な長さと、ブレード厚が6mmという頼もしい厚み、そして適度な重さを有しているS1Proはバトニングしていてぐいぐいと薪を切り割っていくのが実感できるほどです。
完全なフルタングでないですが、セミフルタングとでも言うのでしょうか、茎(なかご)は厚めにバットエンドまで届いているので耐久性は問題ないように思われます。耐久性を語るにはもっと酷使しなければハッキリしませんので、ここでの言及は控えます。
やや細身と感じられるハンドルは力を込めて叩き込むには少しばかり物足りないですが、グローブをした状態で最良の太さのようです。
(  ̄´▽` ̄)私の手は成人男性の平均よりちょっとだけ大きく、指は細め。参考になります?
フェザースティックをヒノキの枝で試してみました。
フェザースティックとは木の枝を何重にもスライスして切りカスを落さずに羽のように仕立てるブッシュクラフトの基本技法のことで、これそのものを焚き火の着火の火口にしたり、まだ育っていない小さい火にくべることで瞬間的な火力アップが望めます。
S1Proでのフェザースティック作りは結論から言うと非常にやり易かったです。
切れ味が鋭いのは当然として、それに加えてブレードが厚めな分、必然コンベックス(ハマグリ貝の断面のような形状)の丸みも強くなるのですが、その丸みの分だけ切り込んだそばから木を割り裂いていく感覚です。
逆にこの手の「割り裂く」ことを得意とするナイフは料理にはあまり向きません。
トマトなどの柔らかいものをカットした時のことを想像すると分かりやすいかもしれませんが、切ったそばから割る作用が働き、食材の切り口を崩してしまうことになります。
(  ̄´▽` ̄)今回は先に薪を割ってしまったので、衛生的なことを考えて食材カットはしませんでした
私にとっては最も付き合いの長いナイフの内の1本「NL4L」。
旧来S1と同じようにVG10ステンレス鋼4mm厚ブレードのNL4Lでもバトニングは何も問題ありません。
ただ硬い木の節にあたった場合強引に割っていく(※)のであれば重さと厚みのあるS1Proに軍配があがります。
※木の節をナイフで割る
どうしても、そうせざるを得ない時を除きバトニングで木の節を割るのは避けた方がいいと思います。どんなに高級な鋼材であっても刃を著しく破損することがあります。節がある場合はその薪をあきらめるか、別のアプローチで節を避けて割るのが無難です。
(  ̄´Д` ̄;)本当は斧やナタがあるならナイフバトニング自体やらない方がいいんですけど
当然といえば当然なのですが、スライスすることに掛けてはブレード厚が薄いこちらの方がやりやすいです。
フロントヘビィ(刃の方に重心がある)なS1Proに対して、NL4Lや旧来S1はニュートラル(重心がナイフの真ん中にある)なので、その分細かい作業はし易くなります。
YouTubeの某動画主のおかげ(?)で日本でも知れ渡ることになったアメリカのファクトリーナイフBarkRiver社・Bravo1(バークリバー・ブラボー1)
A2炭素鋼は鋭い刃が形成できる上に非常に砥ぎ易く、ちょっとストロッピングするだけで簡単に切れ味を復活させることができる私もお気に入りの鋼材です。
炭素鋼ですので手入れを怠ると錆びやすいのが難点ですが、軽度の錆なら簡単に修復できますので気にせずガンガン使っていけます。
6mm厚のブレードなので上で紹介したS1Proと同じ厚みです。
切れ味も鋭く、割り裂くことにかけてはS1Proとほぼ同等に感じます。切れ味の持続に関してはS1Proの方が若干上な気もしますが誤差範囲でほぼ同じとみていいのではないかと思います。
(  ̄´▽` ̄;)曖昧ですみません、それほど拮抗してる微々たる差なんです
ここまで長々と書いてきましたが、まだメンテナンスのお話をしてませんね。
次にS1Proのお話をする時は【メンテナンス編】でレビューします。S1Proの【外観編】にも興味がございましたら是非そちらもどうぞ。
ではまた (  ̄´▽` ̄)ノ
Fallknivenのナイフはナチュラムさんでも購入できます。残念ながらProシリーズはまだのようです。
![]() FALLKNIVEN(ファルクニーベン) |
![]() FALLKNIVEN(ファルクニーベン) |
![]() FALLKNIVEN(ファルクニーベン) |
![]() FALLKNIVEN(ファルクニーベン) NL4L 刃渡り130mm |
![]() バークリバー ブラボー1 ブラック キャンバス マイカルタ A2鋼 |